キリンの眼:瞳孔は横長、視力は抜群、視野は?

キリン研究
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キリンはどれくらいの視力を持つのでしょうか。一説には数キロメートル先の仲間、もしくは天敵を見つけることができるとされていますが、どれくらいの視力で、どれくらいの視野なのかという研究は少数のみです。

瞳孔の形は横長

瞳孔の形は、北海道の旭山動物園の特集に詳しく載っています。キリンは、ヤギや羊と同じく横長の瞳孔です。一方でネコやキツネのような肉食動物の多くは縦長の瞳孔です。ヒトはご存じの通り丸の瞳孔です。

キリンの瞳孔は多くの草食動物と同じで横長です

横長のメリットは、瞬きをしてもほとんどの時間で視野が全て保たれる点です。瞬きした一瞬で天敵に食べられてしまうことを考慮すると瞳孔が横長の種が生き残った可能性があります。

視力は動物の中では良い

ヒトにおいては、視野の中心部分で45 cycles per degree (cpd、輝度がサイン波に基づいて変化する縞模様の、視野角1度あたりの周期)とされています [Frisen and Glansholm, 1975]。

45 cpdはいわゆる視力で約2.0、30 cpdで1.0、15 cpdで0.5に相当します。周辺に行くほど見えにくくなって、視野角80度付近では0.8 cpd(視力0.05くらい)とされています。

マウスの視力は0.5 cpdくらいです[Prusky, 2000]。マウスの眼の解像度はヒトと比べて約100分の1程度しかありません。犬はヒトの約10分の1とされています [Lind, 2017]。

一方でキリンは25-65 cpdとされており [Kasozi, 2018]、測定条件が一定ではありませんので、単純な比較はできませんが、動物の中ではかなり視力が良いと言えます。

視野は広い

キリンの視野を評価した研究はおそらくありません(見つけられませんでした)。

キリンを上から撮影した写真をトレースしてみました。

一般的な草食動物と同じく単眼の視野は広そうです。しかしながら、このトレースからは後ろ方向への視野はウサギなどよりは限定されており、見えない部分(ブラインド領域)の角度は草食動物としては広めな印象です。

ただ、キリンは高さがあり、下方向への視野はかなり広く、かつ首の動きが変幻自在に近い状態なので、多少の後方への死角はあまり問題にならないのかもしれません。

文献

Frisen L, Glansholm A. Optical and neural resolution in peripheral vision. Invest Ophthalmol. 1975;14:528-36.
Prusky GT, West PW, Douglas RM. Behavioral assessment of visual acuity in mice and rats. Vision Res. 2000;40:2201-9.
Lind O, et al. High visual acuity revealed in dogs. PlosOne 2017;12: e0188557.
Kasozi H, Montgomery RA. How do giraffes locate one another? A review of visual, auditory, and olfactory communication among giraffes. J Zoology 2018;306:139-46.

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