カミキリムシ ~生態と駆除~

生き物エッセイ

カブトムシやクワガタを見つけるとなぜか心が躍ります。カナブンやコガネムシはなんとも思いません。カメムシは少しイラっとします。でも、カミキリムシを見つけるとなんだか妙な気分になります。クワガタと同様に成虫は夏に発生します。宮崎では5月くらいから成虫を見かけます。多くは夜行性で生木の小枝をかじって食べます。我が家の庭は美味しそうな幼木が多いので住みやすいのかもしれません。

カミキリムシの分類

カミキリムシの分類は、コウチュウ目、カミキリムシ科に分類される甲虫の総称です。多くは草食です。

科・亜科の分類は研究者によって意見が異なります。一般には5つの科に分類される説が支持されており、日本にはホソカミキリムシ科とカミキリムシ科の2科が分布しています。

カミキリムシの生態

カミキリムシは、卵、幼虫、蛹を経て成虫になる完全変態の昆虫です。卵期間は短く、通常1~2週間で孵化します。幼虫期間は数か月から数年と種によって異なります。蛹期間は、2~4週間です。

メスは、生木の幹の低いところを噛み切って穴をあけて産卵します。また、横に移動しながら産卵するため、木の幹には輪状の産卵痕が残ります。孵化した幼虫は、樹皮下に喰い込んで生木を1~4年かけて食べ、成長するそうです。梅の木に産卵の痕がありそうですが、輪状ではないので違うのかもしれません。この痕から樹液がでてくるので、他の昆虫にとっては助かりますが、樹木にとってみると害虫以外の何物でもありません。

庭にいました。小ぶりです。イタヤカミキリ

地上から50 cmぐらいの高さまでに穴をあけやすいので、木の根元に近い場所の幹などに穴が開いているのを見つけたら、穴の周りに木屑のような虫糞があるか確認します。もしある場合、穴の中に幼虫がいる可能性が高いです。1本の木で育つ幼虫の数は少ないですが、内部を食い荒らすので樹木にとっては致命的な害虫と言えます。

行動パターン

カミキリムシには、昼行性、薄暮性、夜行性、一日中と行動パターンは品種により異なります。写真(下)は日本各地でよくみかけるゴマダラカミキリです。私は知りませんでしたが、妻はこの名前を知っていました。世界的な重要害虫として認知されているようです。行動は一日中で、1年目は卵・幼虫で、2年目に成熟し、蛹化・羽化します。2年1世代です(1年1世代の場合もあります)。果樹(特に柑橘系、りんご、イチジク、ブルーベリー)や街路樹を加害する代表的な害虫です。

ゴマダラカミキリ、コンクリートと見分けが難しいです。

ライムの木に幼虫発見

2020年8月中旬、庭にあるライムの木の地面に、何やら木くずが落ちています。あっ!数カ月前に見たゴマダラカミキリの幼虫だ、とすぐに脳裏をよぎりました。

新鮮な木くずが散らばっています。
木くずの上の方を探すとこんな状態の部分がありました。
別の場所にもう一か所、幼虫がいそうな部分を見つけました。

カミキリムシ幼虫の駆除

早速、駆除方法の検索をすると、園芸用キンチョールEが良いとのことで、近くのホームセンターで購入!(妻に買ってきてもらいました)

カミキリムシ幼虫退治に特化しています。それほど需要があるのでしょうか?

早速、幼虫の穴に差し込みシュー・・・、の予定でしたが、樹液が固まり、スプレーの針先端が穴に入りません。
ライムには申し訳ないのですが、幼虫が存在しそうな部分の少し幹側からノコギリで切断しました。

断面です。樹皮の内側に幼虫が這っていた部分があります。

断面には幼虫の通った穴があります。幹側の穴にスプレーしました。もう一か所の幼虫が存在しそうな部分もノコギリで切断し、末端側に穴を開放すると・・・。幼虫発見し、”殺”しました。。。

もちろん、最後に切断面には癒合剤を塗りました。ライムの樹は小ぶりになってしまいましたが、救うことができたと思います。1年後も元気に育っています

今回は、キンチョールEを有効には利用できませんでした。樹液がでてくるタイプの樹は、穴がふさがってキンチョール先が挿入できないからです。ただ、よく触わってみると幼虫が通った部分は樹皮下が空洞になっており、同定できます。この部分をカッターで切って、キンチョール先を挿入してスプレーするという手があったように思いました。今度発見したときは、トライしてみます。
あと、成虫の見つけたときに、きちんと”殺”することも大切です。心が痛みますが・・・。

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